「雪山デビューしたいけど、チェーンスパイクと軽アイゼン、どっちを買えばいいの?」
調べるほど分からなくなる、この悩み。似たような見た目なのに値段も爪の数もバラバラで、決め手がないんですよね。
こんにちは!登山歴13年、のこのこ山を歩き続けている夫婦ブロガー「ちぃとかめぴ」です。
先に結論をお伝えします。
雪山デビューなら、まずチェーンスパイクで大丈夫です。私たちも3シーズン以上、チェーンスパイク1つで入笠山・北横岳・霧ヶ峰・美ヶ原などの雪山を歩いてきました。

体力に自信のないボクでも、チェーンスパイクだけで雪山を楽しめています。いきなり高い装備をそろえなくて大丈夫ですよ。
ただし、これだけは先に知っておいてください。
チェーンスパイクを履いていても、雪深い所では足はズボッと埋まります。
しかも埋まるのは、ふかふかの新雪ではありません。「硬そうに見える雪」のほうが危ないんです。私たちは北横岳と美ヶ原で、実際にやりました。
この記事では、チェーンスパイクと軽アイゼンの違い、どちらを買うべきかの判断基準、そして「埋まる」現象の正体を、実体験からお伝えします。

この記事でわかること
- チェーンスパイクと軽アイゼンの違い
- 初心者はどっちを買うべきか
- 【実体験】チェーンスパイクで踏み抜いた雪山の体験
- 判断のしかたは「踏み跡があるか」だけ
- 3シーズン使って分かった、選ぶときの決め手
結論|初心者はチェーンスパイクから。ただし「埋まる」ことは知っておく
雪山デビューの方が最初に買うなら、チェーンスパイク一択だと思っています。理由は3つです。
- 着脱がとにかくラク…靴の上からゴムを被せるだけ。手袋をしたままでもできます
- 歩き方にクセがない…普通に歩けます。軽アイゼンは足を意識して置く必要があります
- 入門の山ならこれで足りる…入笠山も北横岳も、踏み固められた登山道ならチェーンスパイクで十分でした
雪山入門の定番といわれる山は、人がたくさん歩いていて登山道が踏み固められていることがほとんど。この状態の雪では、チェーンスパイクが本当によく効きます。
ただし、「じゃあ何も心配いらない」わけではありません。次でその話をします。
チェーンスパイクと軽アイゼンの違い
まず、この2つがどう違うのかを整理します。
| チェーンスパイク | 軽アイゼン | |
|---|---|---|
| 爪 | 短い爪がたくさん | 長めの爪が少なめ(4〜6本爪など) |
| 効き方 | 靴底全体で面をとらえる | 爪を雪に刺す |
| 着脱 | ◎ 被せるだけ | ○ ベルトを締める手間あり |
| 歩き方 | 普通に歩ける | 足裏をフラットに置く意識が必要 |
| 向いている場所 | なだらかな雪道・凍った登山道・夏の雪渓 | やや傾斜のある雪面・締まった斜面 |
| 苦手なところ | 急斜面・深い雪 | 急斜面・岩まじりの道 |
ざっくり言うと、チェーンスパイクは「面でとらえる」、軽アイゼンは「点で刺す」道具です。
だから傾斜が出てくると、点で刺せる軽アイゼンのほうが安心感があります。逆に平坦〜緩い登り下りなら、面でとらえるチェーンスパイクのほうが歩きやすい。優劣ではなく、得意な場所が違うだけなんです。

「軽アイゼンのほうが上位モデル」って思いがちだけど、そうじゃないんだよね。行く場所しだいなの♪
【参考】アイゼン(10〜12本爪)は別世界の道具です
ついでに触れておくと、アイゼン(10〜12本爪)はまったく別の道具です。前に飛び出した爪を蹴り込んで急斜面を登るためのもので、ピッケルとセットで使います。
これを使うような山は、装備も技術も別次元。私たちは持っていませんし、この記事の読者さんが今すぐ必要になるものでもありません。
【実体験】チェーンスパイクで踏み抜いた2つの山
ここからが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。
チェーンスパイクの弱点は「急斜面に弱い」とよく書かれています。でも実際に歩いていていちばんヒヤッとしたのは、急斜面ではありませんでした。
北横岳|日陰に入ったとたん、ズボッといった

北横岳の登山道は、その日アイスバーン気味でした。雪が溶けて凍ってを繰り返してカチカチに固まった雪道です。こういう日こそチェーンスパイクの出番、と気持ちよく歩いていたのですが——
日差しの当たらない場所に入ったとたん、足がズボッとめり込みました。
それまでと見た目はほとんど同じ。なのに、日陰の雪だけは溶けず、固まらないために分厚く柔らかめの雪が積もった状態だったんです。
美ヶ原|表面が「バリッ」と割れて、下の柔らかい雪にハマった

美ヶ原では、もっとはっきりした形で経験しました。
アイスバーン気味に固まった雪面を歩いていたら、表面が「バリッ」と割れて、その下の柔らかい雪に足がハマりました。
踏むまで、硬い雪なのか、上っ面だけ硬い雪なのか、見分けがつきません。足に体重をかけて初めて分かるという怖さがあります。

こういうところだと、表面の雪は堅いからラッセルできるわけでもなく、一歩ずつ踏み抜いて進むことになるから、かなり大変でしたね(苦笑)

なぜ「硬そうに見える雪」ほど危ないのか
2回の経験から分かった、踏み抜きが起きる仕組みはこうです。
- 雪がたくさん積もる
- 日差しで表面だけが溶ける
- 気温が下がって、その表面がまた固まる
- 上に硬い層、下に柔らかい雪という「二階建て」の状態になる
- 体重をかけると、硬い層が割れて一気に沈む
つまり、硬そうに見えるのは表面だけということ。日陰は表面が溶けきらず、その下がスカスカのまま残るので、なおさら踏み抜きやすくなります。
ここで大事なのは、これはチェーンスパイクの欠陥ではないということ。
チェーンスパイクは「滑り止め」であって、「浮くための道具」ではありません。軽アイゼンに替えても、まったく同じように踏み抜きます。沈まないようにするには、ワカンやスノーシューという別ジャンルの道具が必要です。

私たちは、足元にチェーンスパイク、ザックにワカンという組み合わせで歩いています。雪がたくさん降った直後から数日の霧ヶ峰などでは、ワカンが大活躍します。
じつは、チェーンスパイクの上からワカンは履けます
ここ、あまり書かれていないのですがとても大事なところです。
チェーンスパイクを付けたまま、その上からワカンを装着できます。つまり「履き替える」必要がないんです。
これが効いてくるのは、こういう場面です。
- 雪が深くなってきた → その場で上からワカンを付けるだけ
- 凍った斜面に出た → ワカンを外すだけで、チェーンスパイクを効かせることができる
これ、地味に見えて安全に直結します。ワカンは、凍ったアイスバーンの斜面ではまともに歩けません。そこで外す必要が出てくるのですが、下に何もない状態だと、いちばん滑る場所でツルツルの登山靴になってしまいます。
下にチェーンスパイクを履いておけば、ワカンを外した瞬間から滑り止めが効いている状態。雪の中で座り込んで付け替える必要もありません。

雪の上で装備を付け替えるのって、手がかじかんで本当に大変なんです。「外すだけ」「上から付けるだけ」で済むのは、想像以上にラクですよ。
なので、いろいろな雪面が出てきそうな山では、この装備で出かけています。
- 足元…登山靴+チェーンスパイク+ゲイター
- ザック…ワカンを外付けして携行
- 雪が深くなったら…その場でワカンを装着

とはいえ、いきなり両方そろえなくて大丈夫。雪が深そうな山に行くときだけワカンを足す、で十分だよ⭐
判断のしかたは「踏み跡があるか」だけ
ここまでの話を、現地で使える形にまとめます。見るポイントは、雪の硬さではなく「人が歩いているかどうか」です。
| 状況 | 足元 | ひとこと |
|---|---|---|
| 人がよく歩く定番の登山道 | チェーンスパイクで十分 | 踏み固められているので、よく効きます |
| 凍結・アイスバーン | チェーンスパイクの得意分野 | ただし日陰は要注意 |
| あまり歩かれていない道 | 要注意 | 踏み抜きが起きやすい場所です |
| 大雪の直後〜数日 | ワカン・スノーシュー | 滑り止めだけでは歯が立ちません |
| 傾斜が出てきた雪面 | 軽アイゼンが安心 | ここから先はステップアップの領域 |
いちばん覚えておいてほしいのは、この2行です。
- たくさん人が歩いた登山道=チェーンスパイクが大活躍
- あまり歩かれていない場所=要注意

チェーンスパイクの選び方|3シーズン使って分かった決め手
正直に書きますが、私たちが使っているチェーンスパイクはメーカー名が分からなくなってしまいました。それでも3シーズン以上、問題なく使えています。
だからこそ言えるのですが、高級品でなくても、雪山入門の範囲なら十分働いてくれます。そのうえで、選ぶときに見てほしいポイントがあります。
いちばん大事なのは「バンド付き」かどうか
私たちのものには、甲の上を通るバンドが付いています。これが脱げ防止になっていて、3シーズン以上使って一度も外れたことがありません。
チェーンスパイクは、基本的にゴムの力だけで靴に留まっています。深い雪に踏み込んで足を引き抜いたとき、すっぽ抜けることがあるのが弱点。バンドが1本あるだけで、その不安がなくなります。
雪の中で外れたチェーンスパイクを探し出して再装着するのは、想像以上に大変です。ここは絶対に妥協しないでください。
そのほかにチェックしたいこと
- サイズ…冬は厚い靴下を履くので、普段の登山靴のサイズで選びます。迷ったら大きめよりぴったりを
- 爪の素材…ステンレス製だとサビにくく、手入れがラクです
- 収納袋が付いているか…濡れたまま外してザックに入れるので、袋があると本当に助かります
- 重さ…両足で300g前後が目安。ザックに常備するものなので軽いに越したことはありません
軽アイゼンが必要になるのは、どんなとき?
ここは正直にお伝えします。私たちは軽アイゼンを持っていません。行く山がチェーンスパイクで足りる範囲に収まっているからです。
そのうえで、軽アイゼンの出番はこういう場面だと考えています。
- 締まった雪の傾斜のある斜面を登る
- チェーンスパイクだとグリップが足りないと感じた
- 参加するツアーや山小屋から「軽アイゼン以上」と指定された
3つ目が意外と大事です。ガイドツアーでは装備の指定があることが多いので、申し込む前に必ず確認してください。

ボクらは「永遠の雪山初級者」とわきまえているので、軽アイゼンが要るような山には、上級者と一緒でなければ行きません。
よくある質問
ワークマンなど、安いものでも大丈夫ですか?
私たちはワークマンのものを使ったことがないので、その商品自体の良し悪しは判断できません。ただ、私たちのチェーンスパイクも高級品ではなく、それで3シーズン以上もっています。
値段より、①バンドが付いているか ②サイズが合っているか ③爪がサビにくい素材か——この3つを実物で確認して選ぶほうが確実だと思います。
夏の雪渓でも使えますか?
使えます。むしろ夏の雪渓は、チェーンスパイクの得意分野です。北アルプスなどで夏でも雪が残る道を通るなら、ザックに入れておくと安心です。

白馬岳の大雪渓を上り下りするときには、チェーンスパイクは必須装備になります!軽アイゼンじゃなくても、ボクたちは困ったことは無いですね。
冬用の登山靴じゃないとダメですか?
チェーンスパイクなら、3シーズン用の防水の登山靴でも装着できます。私たちもそうしています。ただし冬靴に比べて保温力は落ちるので、厚手の靴下とゲイターで補ってください。
足元から冷えると全身に効いてきます→登山 初心者の装備|三種の神器とあると安心な物を解説
どれくらいもちますか?
私たちのものは3シーズン以上使って、まだ現役です。使用頻度にもよりますが、雪山を年に数回歩く程度なら、そう簡単には駄目になりません。
ただしゴム部分は経年で硬くなって切れることがあるので、シーズン初めに必ず引っぱって点検してください。
チェーンスパイクだけで雪山に行けますか?
踏み固められた入門の山なら行けます。ただし滑り止めだけがそろっていても、雪山の装備としては足りません。防寒・防水・ゲイター・サングラスまで含めて準備してください。
雪山の装備と山選びは、こちらにまとめています→雪山登山は初心者でも大丈夫?おすすめの山と失敗しない装備を登山13年夫婦が本音解説
まとめ|まずはチェーンスパイク。雪の状態によって「埋まる」ことも知っておく

- 雪山デビューならチェーンスパイクからでOK。着脱がラクで、入門の山なら十分効く
- チェーンスパイクは面でとらえ、軽アイゼンは点で刺す。優劣ではなく得意な場所が違う
- 硬そうに見える雪でも踏み抜くことあり。日陰と、人が歩いていない場所は要注意
- チェーンスパイクは滑り止め。沈まないための道具ではない。深い雪はワカン・スノーシューの出番
- チェーンスパイクの上からワカンは履ける。「足元はチェーンスパイク+ザックにワカン」が、雪面が変わる山での安心な形
- 選ぶときはバンド付きを。すっぽ抜けの不安がなくなります

「硬そうだから大丈夫」って思った雪ほど、ズボッといくの。これ、私たちが身をもって覚えたことです⭐

道具は背伸びしないこと。行く山に合ったものを、ちゃんと選んでください。安全に楽しみましょう!
あわせて読みたい→雪山登山は初心者でも大丈夫?おすすめの山と失敗しない装備を登山13年夫婦が本音解説
あわせて読みたい→【岐阜のおすすめ低山9選】秋冬春の絶景ハイキング!駐車場・難易度ガイド付き
値上がりが続いているので買い時も要チェック→【2026年最新】モンベルが高すぎ⁉登山用品の価格上昇と賢い買い時
