登山中に後ろからドドドッと足音が迫ってきて、慌てて道を開けたら——無言で駆け抜けていった。
「……あれ?」
正直に言うと、「ありがとう」とか「ごめんなさい」の一言くらいあってもいいんじゃないかな…?

検索してみると、「トレラン やめてほしい」「トレラン 頭おかしい」——そんな強い言葉が並んでいます。
そこまでの言葉が出てくるということは、同じようにモヤモヤしている人が、たくさんいるということだと思います。
こんにちは!登山歴13年、のこのこ山を歩き続けている夫婦ブロガー「ちぃとかめぴ」です。私たちはトレランをやりません。だからこそ、登山者としての本音を、きれいごと抜きで書きます。
先に、この記事の結論です。
- 怖いと感じたら、無理に道を譲らなくてOK。まず自分の安全確保が最優先です
- 道を譲るときは谷側ではなく山側に寄る。急に振り返らない。これだけで事故が減ります
- 「やめてほしい」と言われる背景には、ちゃんと理由がある。でもマナーを守るランナーが大多数です
- トレランにもルールとマナーはある(そもそも制限されている山域もあります)
読み終えたころには、「トレランの人とすれ違うのが、前より怖くなくなった」と思ってもらえるところまで書きました。
「トレランって怖い」と感じる瞬間は少なくない
全員がそうだとは思っていません。でも、山を歩いていると「あれ?」と感じる場面があるのも事実です。
後ろから来るのに気づくのが遅れる
登山のペースで歩いていると、後ろからのランナーの接近に気づきにくいことがあります。細い登山道では「気づいたら目の前にいた」という状況になることも。驚いて体がよろけたことも一度や二度ではありません。
スピード感があり、すれ違いの瞬間がこわい
狭い尾根道や岩場(例えば金華山の馬の背のような場所)で、全速力のランナーとすれ違うのはヒヤリとします。片方が踏み外したら、では済まない場所もあります。「スピードを落としてくれたら」と思う場面は、正直あります。
一番モヤッとするのは無言で抜かれて、あいさつもないこと
危険とか邪魔とか、そういう話より前に——個人的に一番「あれ?」と思うのは、あいさつの問題です。

道を開けて待っていたのに、無言で走り抜けていったことがありました。「……あれ?」って。べつに感謝してほしいわけじゃないけど、一言あればぜんぜん印象が違うんですよね。
登山では「こんにちは」のあいさつが文化として根付いています。知らない人でも声をかけ合う。それが山の空気でもあります。トレランの人がそのあいさつを省いて走り抜けていくと、「ルールが違う人が来た」という違和感が生まれるんだと思います。
「トレランやめてほしい」「頭おかしい」と言われる理由
ネット上には、かなり強い言葉が並んでいます。そこまでの言葉が出てくる背景には、こういう経験を積み重ねた人がいるからだと思います。
- スピードが出すぎていて危険を感じた
- 道を開けても無視された、という経験を何度もした
- 登山道を傷める・土を削るという指摘もある
- 荒天や危険なコンディションでも走っていて「なぜ?」と思った
一回一回は小さなことでも、それが積み重なると感情が強くなります。「迷惑」「うざい」「なんかこわい」——そういった言葉が出てくるのは、蓄積された違和感の表れだと思います。
なぜ「頭おかしい」とまで言われるのか
「迷惑」ではなく「頭おかしい」。ここまで強い言葉が出てくるのには、理由があると思っています。
ひとつは、危険を感じたときの恐怖が、そのまま言葉になっているから。狭い岩場で真横を全速力で抜かれたら、「危ない」ではなく「正気じゃない」と感じても不思議ではありません。怒りというより、恐怖の裏返しだと思います。
もうひとつは、行動の理由が想像できないから。荒天でも走る、コースタイムを削ることに集中する——歩く登山者から見ると「なぜそこまで?」となります。理解できないものに、人はきつい言葉を使いがちです。
ただ、ここははっきり書いておきます。「トレランをする人全員が悪い」わけでは、まったくありません。次の章で、ランナー側の事情も見てみます。
ランナー側にも、事情はある
相手の立場を知っておくと、必要以上にイライラせずに済みます。トレランをやっている人には、こういう事情があるかもしれません。
- 息が上がっていて声が出ない……全力で走っているとき、あいさつの余裕がないことはあります
- タイムを競っている……1秒を削ることに集中していて、立ち止まれない状況のことも
- 登山のマナーを知らない……悪意ではなく、単に「山のお作法」を学ぶ機会がなかった人もいます

嫌いになりたいわけじゃないんですよね。ただ「ちょっと待って」と思う瞬間があるだけで。それはランナー全員じゃなくて、マナーが悪い一部の人への話だと思っています。
登山者側はどう対応すればいい?怖いと感じたときの対処法
ここが一番大事なところです。トレランの人にマナーを守ってもらうのはもちろん大切ですが、山では相手の行動をこちらが完全にコントロールすることはできません。だからこそ、登山者側が「怖い」と感じたときにどう動けばいいかを知っておくと、ぐっと安心できます。
無理にすぐ道を譲らなくていい
後ろから足音が近づいてくると、つい慌てて道を開けたくなります。でも、狭い道や足場の悪い場所では、急に避けるほうが危ないこともあります。まずは自分が安全に立てる場所を確認してから、落ち着いて譲れば大丈夫です。相手を先に行かせる義務はありません。
狭い場所では「少し待ってください」と言っていい
すれ違うのが怖い場所では、無理にその場でやり過ごさなくてもいいんです。「この先で避けます」「少し待ってください」と声をかければ、お互いに安全なタイミングを作りやすくなります。遠慮はいりません。安全が最優先です。
道を譲るときは山側に寄る・谷側に出ない
細い道で道を譲るときは、できるだけ山側(斜面の上側)に寄るのが安心です。谷側に体を出すと、バランスを崩したときに滑落の危険があります。焦らず、足元を確認してから動くことが大切です。
急に振り返らない
足音に驚いて急に振り返ると、ザックの重みでバランスを崩すことがあります。気配を感じたら、立ち止まって体勢を整えてから、ゆっくり振り返るようにしましょう。
子ども・犬連れのときは早めに動く
家族連れや犬連れで歩いているときは、早めに安全な場所に寄っておくと安心です。特に犬は急に動くランナーに驚くことがあるので、リードを短く持って山側に寄せておきましょう。犬連れ登山の準備や心得は【愛犬と霧ヶ峰ハイキング!】犬連れ登山を楽しむための必要アイテムと心得えでも詳しく紹介しています。

慌てて動くと事故のもとに。まずは自分たちの安全の確保が一番。落ち着いてゆっくり対応しましょう。
トレランのルール・マナーはある?禁止されている山も
「トレランは好き勝手に走っていいの?」と思うかもしれませんが、実はトレランの世界にもきちんとマナーやルールがあります。
多くのトレラン団体やレース大会では、登山者を優先すること、追い越すときは声をかけること、登山道を傷めないことなどがマナーとして共有されています。「山では歩行者(登山者)が優先」というのは、トレラン側でも基本とされている考え方です。
また、山域によってはトレラン自体が制限・禁止されている場所もあります。登山道の保護や混雑緩和のため、特定のエリアでランニングを控えるよう求めている自治体や山もあります。
つまり、マナーを守って走っているランナーがほとんどで、目につく一部の人だけが「やめてほしい」という印象を作ってしまっている——というのが実際のところだと思います。
よくある質問
なぜ「トレラン 頭おかしい」と検索されるほど言われるの?
スピードが出すぎて危険を感じた、道を譲っても無言だった、荒天でも走っていた、といった経験が積み重なることで、強い言葉として検索されるようになったと考えられます。怒りというより、危険を感じたときの恐怖が言葉になっている面が大きいと思います。ただし、これはマナーを守らない一部のランナーへの反応であり、トレランをする人全員を指すものではありません。
トレイルランニングはマナー違反なの?
トレイルランニング自体はマナー違反ではありません。多くのトレラン団体や大会では「登山者優先」「追い越すときは声をかける」といったマナーが共有されています。問題視されているのは、そうしたマナーを守らない一部の人の行動であり、トレランという行為そのものではありません。
登山者はランナーに道を譲る義務があるの?
法律上の義務はありません。「登山者優先」はマナーとして広く共有されている考え方ですが、登山者が無理に道を譲る必要はなく、安全に立てる場所を自分で確認してから、落ち着いて対応すれば大丈夫です。
トレランが禁止されている登山道はある?
あります。登山道の保護や混雑緩和のため、特定の山域や時期でランニングを制限・禁止している自治体や山も存在します。走る予定のコースがある場合は、事前にそのエリアのルールを確認しておくと安心です。
狭い登山道でランナーとすれ違うときは、何に気をつければいい?
無理にすぐ避けようとせず、まず自分が安全に立てる場所を確認してから対応しましょう。道を譲るときは谷側ではなく山側に寄ること、急に振り返らないこと、子どもや犬連れのときは早めに安全な場所へ移動しておくことがポイントです。
お互い気持ちよく山を使うために

登山者側の対処法を押さえたうえで、ランナーにもこうしてもらえると嬉しい——という願いも、正直に書いておきます。トレランをやっている人に届いたら幸いです。
- すれ違うときはスローダウン……風圧と驚きで体がよろけることがあります
- 声が出なくても会釈や手を挙げるだけでOK……それだけで「ありがとう」が伝わります
- 「後ろ通ります」の一声……登山者も余裕を持って道を開けられます

以前、「お先に失礼します!」って笑顔で走り去ったランナーの方がいて、めちゃくちゃ印象よかったです。それだけで「トレランの人っていいな」ってなりました。
結論:登山もトレランも、同じ「山が好きな人」

「やめてほしい」という気持ちが出てくるのは、山が好きだからだと思います。大切な場所を、気持ちよく使いたい。それはランナーも登山者も同じはずです。
大事なのは、相手を変えようとするより、まず自分の安全を確保すること。無理に譲らない、安全な場所で待つ、山側に寄る——この対処を知っているだけで、トレランの人とすれ違う不安はかなり減ります。
そのうえで、一人でも多くのランナーが「お先に失礼します!」の一言をかけてくれたら、山はもっと気持ちのいい場所になる。私たちはそう思いながら、これからものこのこ山を歩きます。

「頭おかしい」はさすがに言い過ぎだと思うけど(笑)お互いがちょっとずつ気遣えば、もっと楽しい山になるはずです。
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