登山中に後ろからドドドッと足音が迫ってきて、慌てて道を開けたら——無言で駆け抜けていった。
「……あれ?」
正直に言うと、「ありがとう」とか「ごめんなさい」の一言くらいあってもいいんじゃないかな…?
これ、登山してる人なら一度は感じたことあると思います。

私たちは”のこのこ山歩き”専門の夫婦です。トレランはやりません。だから「トレランやめてほしい」「頭おかしい」なんて言葉が検索されているのを知ったとき、「あ、同じように感じている人がいるんだな」と思いました。
この記事では、①登山者の本音を正直に書き、②なぜそう思われるのかを整理し、③登山者側ができる具体的な対処法、④トレランのルールやマナーの実際まで、ぜんぶ書きます。読み終わったあと「次からこうしよう」と思えるところまで持っていきたいと思います。
「トレランって怖い」と感じる瞬間は少なくない
全員がそうだとは思っていません。でも、山を歩いていると「あれ?」と感じる場面があるのも事実です。
後ろから来るのに気づくのが遅れる
登山のペースで歩いていると、後ろからのランナーの接近に気づきにくいことがあります。細い登山道では「気づいたら目の前にいた」という状況になることも。驚いて体がよろけたことも一度や二度ではありません。
スピード感があり、すれ違いの瞬間がこわい
狭い尾根道や岩場で、全速力のランナーとすれ違うのはヒヤリとします。片方が踏み外したら、では済まない場所もあります。「スピードを落としてくれたら」と思う場面は、正直あります。
一番モヤッとするのは無言で抜かれて、あいさつもないこと
危険とか邪魔とか、そういう話より前に——個人的に一番「あれ?」と思うのは、あいさつの問題です。

道を開けて待っていたのに、無言で走り抜けていったことがありました。「……あれ?」って。べつに感謝してほしいわけじゃないけど、一言あればぜんぜん印象が違うんですよね。
登山では「こんにちは」のあいさつが文化として根付いています。知らない人でも声をかけ合う。それが山の空気でもあります。トレランの人がそのあいさつを省いて走り抜けていくと、「ルールが違う人が来た」という違和感が生まれるんだと思います。
「やめてほしい」「頭おかしい」と言われる理由を冷静に考える
ネットでは「トレランやめてほしい」「頭おかしい」という強い言葉が検索されています。そこまでの言葉が出てくる背景には、こういった経験を積み重ねた人が居るからだと思います。
- スピードが出すぎていて危険を感じた
- 道を開けても無視された、という経験をが何度もした
- 登山道を傷める・土を削るという指摘もある
- 荒天や危険なコンディションでも走っていて「なぜ?」と思った
一回一回は小さなことでも、それが積み重なると感情が強くなります。「迷惑」「うざい」「なんかこわい」——そういった言葉が出てくるのは、蓄積された違和感の表れだと思います。
ただ。「トレランをする人全員が悪い」わけでは、当然ありません。次の章で、ランナー側の事情も見てみます。
ランナー側にも、事情はある
相手の立場を知っておくと、必要以上にイライラせずに済みます。トレランをやっている人には、こういう事情があるかもしれません。
- 息が上がっていて声が出ない……全力で走っているとき、あいさつの余裕がないことはあります
- タイムを競っている……1秒を削ることに集中していて、立ち止まれない状況のことも
- 登山のマナーを知らない……悪意ではなく、単に「山のお作法」を学ぶ機会がなかった人もいます

嫌いになりたいわけじゃないんですよね。ただ「ちょっと待って」と思う瞬間があるだけで。それはランナー全員じゃなくて、マナーが悪い一部の人への話だと思っています。
登山者側はどう対応すればいい?怖いと感じたときの対処法
ここが一番大事なところです。トレランの人にマナーを守ってもらうのはもちろん大切ですが、山では相手の行動をこちらが完全にコントロールすることはできません。だからこそ、登山者側が「怖い」と感じたときにどう動けばいいかを知っておくと、ぐっと安心できます。
無理にすぐ道を譲らなくていい
後ろから足音が近づいてくると、つい慌てて道を開けたくなります。でも、狭い道や足場の悪い場所では、急に避けるほうが危ないこともあります。まずは自分が安全に立てる場所を確認してから、落ち着いて譲れば大丈夫です。相手を先に行かせる義務はありません。
狭い場所では「少し待ってください」と言っていい
すれ違うのが怖い場所では、無理にその場でやり過ごさなくてもいいんです。「この先で避けます」「少し待ってください」と声をかければ、お互いに安全なタイミングを作りやすくなります。遠慮はいりません。安全が最優先です。
道を譲るときは山側に寄る・谷側に出ない
細い道で道を譲るときは、できるだけ山側(斜面の上側)に寄るのが安心です。谷側に体を出すと、バランスを崩したときに滑落の危険があります。焦らず、足元を確認してから動くことが大切です。
急に振り返らない
足音に驚いて急に振り返ると、ザックの重みでバランスを崩すことがあります。気配を感じたら、立ち止まって体勢を整えてから、ゆっくり振り返るようにしましょう。
子ども・犬連れのときは早めに動く
家族連れや犬連れで歩いているときは、早めに安全な場所に寄っておくと安心です。特に犬は急に動くランナーに驚くことがあるので、リードを短く持って山側に寄せておきましょう。

慌てて動くと事故のもとに。まずは自分たちの安全の確保が一番。落ち着いてゆっくり対応しましょう。
そもそもトレランにルールやマナーはあるの?
「トレランは好き勝手に走っていいの?」と思うかもしれませんが、実はトレランの世界にもきちんとマナーやルールがあります。
多くのトレラン団体やレース大会では、登山者を優先すること、追い越すときは声をかけること、登山道を傷めないことなどがマナーとして共有されています。「山では歩行者(登山者)が優先」というのは、トレラン側でも基本とされている考え方です。
また、山域によってはトレラン自体が制限・禁止されている場所もあります。登山道の保護や混雑緩和のため、特定のエリアでランニングを控えるよう求めている自治体や山もあります。
つまり、マナーを守って走っているランナーがほとんどで、目につく一部の人だけが「やめてほしい」という印象を作ってしまっている、というのが実際のところだと思います。
お互い気持ちよく山を使うために

登山者側の対処法を押さえたうえで、ランナーにもこうしてもらえると嬉しい——という願いも、正直に書いておきます。トレランをやっている人に届いたら幸いです。
- すれ違うときはスローダウン……風圧と驚きで体がよろけることがあります
- 声が出なくても会釈や手を挙げるだけでOK……それだけで「ありがとう」が伝わります
- 「後ろ通ります」の一声……登山者も余裕を持って道を開けられます

以前、「お先に失礼します!」って笑顔で走り去ったランナーの方がいて、めちゃくちゃ印象よかったです。それだけで「トレランの人っていいな」ってなりました。
結論:登山もトレランも、同じ「山が好きな人」

「やめてほしい」という気持ちが出てくるのは、山が好きだからだと思います。大切な場所を、気持ちよく使いたい。それはランナーも登山者も同じはずです。
大事なのは、相手を変えようとするより、まず自分の安全を確保すること。無理に譲らない、安全な場所で待つ、山側に寄る——この対処を知っているだけで、トレランの人とすれ違う不安はかなり減ります。
そのうえで、一人でも多くのランナーが「お先に失礼します!」の一言をかけてくれたら、山はもっと気持ちのいい場所になる。私たちはそう思いながら、これからものこのこ山を歩きます。

「トレランやめてほしい」はさすがに言い過ぎだと思うけど(笑)お互いがちょっとずつ気遣えば、もっと楽しい山になるはずです。
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