「モンベルのウェアが体に合わない。じゃあ、何を着ればいいの?」
こんにちは!登山歴13年、のこのこ山を歩き続けている夫婦ブロガー「ちぃとかめぴ」です。
私(かめぴ)は身長180cm、体重60kgの細身・長身です。モンベルで買ってはいけないアイテム4選でも書いたとおり、この体型だと上半身の登山ウェアは「胴に合わせると袖が短い、袖に合わせると胴がブカブカ」になります。
この記事は、その「じゃあ何を買えばいいのか」にお答えするものです。
10年かけて6つのメーカーのベースレイヤー(行動着)を着比べてきました。結論から言うと、今も手元に残って出番が多いのはこの2つです。
- パタゴニア キャプリーン・サーマルウェイト(旧キャプリーン4)…10年でいちばん着た。前の一着は破れるまで使いました
- アークテリクスの長袖ベースレイヤー…サイズも色も気に入って、今いちばん出番が多い


どちらも欧米ブランドです。胴が絞られていて、その分だけ袖が長い。細身・長身の体には、これがそのまま合うんです。
この記事でわかること
- 細身・長身の人に実際に合った2着と、その理由
- 季節や山の条件による使い分け
- 試着のときにどこを見ればいいか
- 逆に合わなかったメーカーの話(正直に書きます)
【1着目】パタゴニア キャプリーン4|10年でいちばん着ました

2019年ごろに手に入れて、山に、普段着に、この10年でいちばん着たベースレイヤーがこれです。
サーマル(保温)なのに、脱ぐと涼しい
キャプリーン4は「サーマル」の名前がついた厚手のモデルです。裏地がフリースのような起毛になっていて、見るからに暖かそうに見えます。
ところが着てみると、通気性が抜群でした。
写真は冬の鳩吹山です。この一着での使い方はこうでした。
- 上着を脱ぐと、涼しい…登りで体が熱くなったとき
- 上着を着ると、暖かい…休憩や稜線で冷えるとき
厚手の服なのに、脱ぎ着だけで体温調節が完結する。当時のキャプリーン3より涼しいくらいでした。
そして、ウインドブレーカーを一枚重ねると、生地の厚み(かさ)がそのまま暖かさになります。風さえ止めれば、あとはこの一着が空気を抱えて温めてくれる。冬の低山では、これでほぼ足りました。

冬の低山って、登りは汗だくなのに稜線に出ると急に寒いでしょう?あの寒暖差にこれ1枚で対応できたのが、本当にありがたかったです。
破れるまで着ました
山でよく着て、よれてきたら普段着に降格させて、そのまま着倒しました。最後は破れて、捨てました。
登山ウェアは決して安くありません。でも、破れるまで着られた一着があるなら、その買い物は間違いなく元が取れています。
「高い」の反対語は「安い」ではなく「使わない」なのだと、この一着に教わりました。
今も買えます(名前が変わっただけ)
ここが大事なところです。
キャプリーン4は、今は「キャプリーン・サーマルウェイト」という名前で売られています。2015年に名称変更と軽量化がありましたが、素材(ポーラテック・パワー・グリッド)は変わっていません。私が着倒したものと、中身は同じです。
一方、キャプリーン2のほうは、もう同じものは手に入りません。「ライトウェイト」に変わり、その後の「クール」シリーズは別素材になりました。こちらも良かったのですが、過去の話です。
【2着目】アークテリクス|今いちばん出番が多い
2022年から、アークテリクスの長袖ベースレイヤーを2枚使っています。同じブランドの2枚なのに、出番がまったく違います。ここは正直に書きます。
赤|色まで気に入った、現在の主力
サイズも着心地も文句なし。そのうえ色が気に入りました。
機能の話ばかりしてきましたが、これは正直に書きます。気に入った服は、よく着ます。よく着る服が、結局いちばん役に立ちます。今いちばん出番が多いのがこの一枚です。
緑|合っているのに、着ていません

同じアークテリクスの、いちばん薄いモデルです。
体には合っています。機能も良い。でも、薄すぎて見た目が気になってしまい、ほとんど着ていません。
ある年、もったいないからと農作業で着ました。着てしまってから、やっぱりもったいなかったと思いました。
ここを隠さずに書くのは、「サイズさえ合えば正解」ではないと伝えたいからです。生地の薄さ、透け感、色。実際に外で着られるかどうかは、カタログの数字には出てきません。買う前に、店頭の明るいところで鏡を見てください。

買うなら、多少お金を出しても「外で着たいと思える色と厚み」を選んだほうがいいです。着ない一着がいちばん高くつきますから。
季節と山の条件で、こう使い分けています
この2着以外にも、条件によって使い分けているものがあります。
夏の薄手|テルヌア

2019年に手に入れた、スペインのブランドテルヌア(TERNUA)の夏用の薄い長袖です。
着た瞬間の感想は、大げさではなく「袖が、手首まである」でした。生地が体に沿っているので、汗をかいても布が肌から離れません。同じ「吸汗速乾」でも、体に合うかどうかでここまで違うのかと驚いた一着です。
ただしテルヌアは日本での取り扱いが石井スポーツ・ヨドバシなどに限られていて、長袖のベースレイヤーが常時買える状態ではありません。良いブランドなのですが、今から探す方には少し手に入れにくいとお伝えしておきます。
冬の低山|ミレー

冬の低山では、ミレーの冬用ベースレイヤーも使っています。こちらも体には合っています。
虫が多い山|スコーロン
行動着は、虫の多さでも選び分けています。
| 山の条件 | 着るもの |
|---|---|
| 虫がいなさそうな稜線歩き | アークテリクス |
| 虫が多そうな山・樹林帯 | スコーロン(防虫素材) |
| 迷ったとき | 両方持っていく |
「迷ったら両方」は、荷物が増えても後悔しない選択でした。防虫ウェアについてはこちらに詳しく書いています。
なお、肌に直接着る「ドライレイヤー」は別の層です
ここまで書いてきたのは肌着の上に着る「行動着」としてのベースレイヤーです。肌に直接着るドライレイヤーは、また別の役割になります。そちらは別記事で比較しています。
→【ドライレイヤー vs ドライナミックメッシュ】ファイントラックとミレー、夫婦で使い分けた本音比較
試着で見るのは「袖の長さ」と「胴の余り」だけ
買うときに何を見ればいいか。私の答えはシンプルです。
- 前にならえをする…袖が手首から上がってこないか
- 両腕を上げる…裾がめくれて腹が出ないか
- 胴をつまむ…生地が大きく余っていないか
そして、ここが大事なところです。これは見た目の問題ではなく、性能の問題です。
ベースレイヤーは肌のすぐ近くで働く服です。行動中に生地が体から離れてしまうと、汗を吸い上げてくれません。動くたびに服の中の空気が入れ替わって、汗をかいた肌がそのまま冷えます。
どれだけ高機能な素材でも、体から離れていたら仕事をしてくれない。カタログの機能表示より、まず袖と胴を見てください。
【参考】逆に、体に合わなかった2メーカー
ここからは参考までに、合わなかったほうの話も書いておきます。6メーカーのうち、合わなかったのは2つでした。
先に断っておくと、どちらも製品が悪いわけではありません。日本人の標準体型に合わせて作られている、というだけのことです。標準の体型の方には、むしろ最良の選択肢になります。
モンベル クールパーカ|10年使った正直な話

買ったのは10年近く前。2017年の木曽駒ヶ岳でも着ています。つまり、合わないと分かっていながら10年使い続けたということです。
良いところははっきりしています。吸汗速乾は抜群です。汗をかいてもすぐ乾く。生地は薄くてかさばらないので、ザックに放り込んでおけます。UVカットもあるので、日差しの強い夏の登山道では体力の消耗が確実に違います。
「着た方が涼しい」って本当?
クールパーカについては、「着た方が涼しい」という評判と「正直、普通に暑い」という声の両方があります。

長年使ってきて、ユニクロなどより乾きやすいのは実感としてありますが、冷感とかは特にないので暑さについては大差ないかな、というのが正直な感想です。
問題は、やっぱりサイズでした

胴も袖も短い。サムホール(親指を通す穴)のおかげで腕はなんとか手首まで隠れますが、それは本来の設計どおりの着方ではありません。裾も足りないので、腕を上げると腹が出ます。
機能に惚れて買っても、体に合わなければ「惜しい一着」で終わる。10年かけて学んだことでした。

10年着てなお、着心地は微妙なままでした。機能が良いだけに、余計にもったいないんですよね…。標準体型の方なら、間違いなく良い一着だと思います。
マムート|それでも頑張って使った長袖

クールパーカとほぼ同じ時期に買った、マムートの春〜秋用の長袖ベースレイヤーです。写真のオレンジがそれです。
こちらも袖と胴の長さが合いませんでした。それでも捨てずに、何年も着ました。初心者だった当時は「登山ウェアとはこういうものだ」と思っていた部分もあります。
今振り返ると、この「頑張って使った」時間が一番もったいなかったと思います。合わない服を我慢して着ていた数年間、私は自分の体に合う一着がこの世にあることを知りませんでした。
もしあなたが今、合わない一着を我慢して着ているなら。その時間のほうが、買い替えるお金よりもったいないかもしれません。
よくある質問
細身・長身なら、結局どのメーカーを選べばいい?
私の経験では欧米ブランドです。パタゴニア、アークテリクス、テルヌア、ミレー。いずれも胴が絞られていて、その分だけ袖が長い設計のモデルが多いです。ただしブランドで決め打ちせず、必ず試着してください。同じブランドでもモデルによってシルエットは変わります。
まず1枚買うなら、どちらから?
パタゴニアのキャプリーン・サーマルウェイトをおすすめします。春・秋・冬と使える期間が長く、上着の脱ぎ着だけで幅広い気温に対応できるからです。私がいちばん長く着られたのも、この一着でした。
キャプリーン4とサーマルウェイトは同じものですか?
ほぼ同じものです。2015年に名称が「キャプリーン・サーマルウェイト」へ変わり、軽量化されましたが、素材のポーラテック・パワー・グリッドは変わっていません。キャプリーン4を探している方は、サーマルウェイトを見れば大丈夫です。
モンベルのベースレイヤーは、細身の人には無理ですか?
いえ、使い方次第です。私も冬用のベースレイヤーを普段使い用に買って、毎年着ています。袖は少し短いのですが、上に服を重ねる前提なら問題になりません。問題になるのは「一枚で着て、それが行動着になる」場面です。ジオラインもスーパーメリノウールも素材としては素晴らしいので、重ね着の内側として使うなら十分に選択肢になります。
アークテリクスは高すぎませんか?
正直、高いです。ただ合わない服を我慢して着ていた数年間のほうが、結果的にもったいなかったというのが私の実感です。いきなり最上位を買う必要はありません。まずは1枚、体に合うものを試してみるのがおすすめです。
ベースレイヤーとドライレイヤーは何が違うの?
着る順番が違います。ドライレイヤーは肌に直接着る一番下の層で、汗を肌から引き離すのが役目。ベースレイヤーはその上に着て、歩いている間ずっと着ている層です。この記事で扱っているのは後者です。
ドライレイヤーについて詳しくはこちら→【ドライレイヤー vs ドライナミックメッシュ】ファイントラックとミレー、夫婦で使い分けた本音比較
まとめ|10年で6メーカー着比べた結論
| メーカー | 体に合ったか | ひとこと |
|---|---|---|
| パタゴニア キャプリーン4 | ◎ | 10年でいちばん着た。破れるまで。今も買える |
| アークテリクス(赤) | ◎ | 色まで気に入った現在の主力 |
| アークテリクス(緑) | ○ | 合うけれど薄すぎて着ていない |
| テルヌア | ◎ | 袖が届く快適さを教わった。入手はやや難 |
| ミレー | ◎ | 冬の低山で |
| モンベル クールパーカ | ✕ | 機能は抜群。胴も袖も短い |
| マムート | ✕ | 袖と胴が合わず、それでも頑張って使った |
細身・長身の方にお伝えしたいのは、ひとつだけです。
カタログの機能表示より先に、袖の長さと胴の余りを見てください。そこで合わない一着は、どんなに機能が優れていても、あなたの山では力を出しきれません。
私は、それに気づくまでに10年かかりました。この記事が、その10年を短くする役に立てばうれしいです。

「良いものを買う」より「自分に合うものを買う」。これって登山の道具ぜんぶに言えることかも♡ 靴も、タイツも、ぜんぶそうでした。
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